素敵なめぐり合わせを
弁護人に事件発生前までの職業を尋ねられた押尾被告は「俳優業と音楽業です」とはっきり答えた。田中さんとは2008年に「銀座のクラブで出会い」、事件 まで10回ほどプライベートで会ったという。そのうえで「(田中さんは)10代のころからあらゆるクスリをやっていて、特に覚醒剤系については、やめるの が大変だと言っていた」と、田中さんの方が薬物にハマっていたかのような証言を展開した。
田中さんとのセックス回数は「5回くらいです」とはっきりと答え、事件以前にもコカインやMDMAを使ったセックスをしたことを、あっさりと認めた。「1回目の(セックスの)後、どこかの居酒屋で『次はクスリ使ってしようよ』ということになった」とも話した。
押尾被告は昨年8月2日の事件当日、「来たら、すぐいる?」という内容のメールを田中さんに送っている。検察側は「いる?」とはMDMAのことで、これが 譲り渡しの根拠の一つとされているが、押尾被告は「来たらすぐ、オレのことほしいか。オレのこといるだろうという意味」と弁明した。
ま た、押尾被告は「初めて会話を覚えたのは英語」とし、ものを考える際は英語で考えていると主張。そこで「『来たら、すぐいる?』を英語で言うと…」と弁護 人に問われると、「Do you want me right away?」と流暢な英語を披露し、MDMA譲渡のメッセージではなかったとアピールし た。
さらに、メールの前に田中さんと電話で話したとして、「田中さんから『マー君、新作の上物があるから、楽しみにしててね。今日は私の使おうね。もうすぐ着くから楽しみにしててね』と言われた」と、あくまでもMDMAは田中さんの物だったと主張した。
田中さんが部屋に来た際には「テンションが高い状態で、『あらマー君、久しぶり』ってがっついてきて、イチャイチャした」「すでにいい感じで、薬が効いて んだな、えらいご機嫌だな、と思いました」と述べ、「今回は田中さんの新作を飲んだ。新作の上物といわれ、僕も興味があった」と語った。
午後の質問では、身ぶり手ぶりで田中さんが倒れた瞬間を再現。手をクロスして心臓マッサージをする姿も“熱演”してみせた。そのうえで「マッサージと息を入れるのを10セットはやった」と放置していたわけではないことを訴えた。